月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

博物館に初もうで@東京国立博物館

毎年正月の恒例、東京国立博物館の「博物館に初もうで」に今年も行ってきました。


この「博物館に初もうで」も今年で15回目になりまして、15回目ともなると固定客だけでそれなりの人数になるわけで。
なので1月2日に見に行ったときは混雑で余り見ずに撤退してしまったのですが、それから1周間が経つと混雑のかけらもない空き具合になりますね。


では「博物館に初もうで」を順に見ていきましょうか。まずは今年の活け花から。


活け花は頑張って2日に撮影したので、青空が眩しいですね。


続けて、干支の犬に関する特集展示です。
ですが……

犬は卑怯…

犬は卑怯……

犬は卑怯………

犬は卑怯…………

犬は卑怯……………

犬は卑怯………………

そして最後は、卑怯な犬の絵の第一人者、円山応挙の杉戸絵ですよ。どんだけ犬は卑怯なんだ……。



とまぁ、普段は猫しか愛でないのに、犬にさんざん萌え上がっていたのでした。
あれやね、犬は本物ではなく絵のほうが可愛くて良いやね(と、実物の犬に吠えられてばかりの月猫さんは思うのであった)。


犬以外の作品も見ていきましょうか。
白描の仏様。ひたすらかっこいい。

鳥獣戯画の断簡。本当なら甲巻の一部だったのに、修理の際に抜けたのか、鈍翁みたいな人が抜いたのか。

貝合せの貝桶と買。よくまぁ貝の内側なんていう湾曲して描きにくそうなところに細かな絵を描くものです。

亜欧堂田善の描く浅間山。江戸時代の洋風画は、この泥っぽい色合いも込みで見ていて楽しい。

若冲さんの鶴丸を、鶴のところだけアップで。顔の小ささとか、かわいいよね。

江戸時代に描かれた源氏物語のやまと絵。右が初音で左が胡蝶。

浮世絵も正月らしく、七福神に富士山&凧揚げ。


考古では、遮光土偶の存在感はいつもながら圧巻です。

イラクからやってきて、日本で埋まっていたガラスというだけで、ロマンですよね。


こんな感じで、今年も良い初もうででした。
それにしても、描かれた犬って可愛いな……。

新春の京博で常設展示を見る

京都国立博物館の常設展示で「いぬづくし」という干支にちなんだ展示をしているというので、行ってみました。
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中に入ると「いぬづくし」自体は2フロアだけで、犬づくしというほど犬だらけではなくて。
とはいえ、他のフロアにも良い作品がありましたので、フロアごとに感想を書いてみましょうか。


まず3階は、焼物と考古のフロアになります。いつもは見飛ばすことも多いのですが、ちゃんと見ると面白いものがありますね。

灰陶武人俑
中国の武人をかたどった焼物なんですが、この武人というかおじさん、親指立ててにこやかな表情で……。どう見ても府中や中山で馬券が当たった時の表情としか(をぃ)
古清水 色絵松竹梅文高杯
松の盆栽を描いたもの。色が薄くて若々しいのが珍しく思えます。
深鉢形土器
そういう名前ではありませんが、これは火焔土器って言っても良さそうな造形。下の方は細身なのに対して、上の方はしっかりしていて、なるほど土の中に半分埋めて使ったのかなぁ、などと。


つづけて2階は、最初の2区画が「いぬづくし」のコーナーです。

犬追物図屏風
「猫追物」という競技がなくてよかったな〜というのが第一印象(笑)。競技よりも周りの観客が公家や高僧から庶民まで実に沢山なのに目がいきます。
ところで上の方に川がありますが、ということはここは鴨川の河原でしょうか?
長沢芦雪「狗子図」
子犬の背中に手をかける子犬とか……。芦雪の犬は卑怯だ(笑)
国井応文・望月玉泉「花卉鳥獣図巻」
「いぬづくし」ですから犬もいるわけですが、長毛の犬は今ひとつ可愛いとは思えなくて。それよりも犬の両隣にいる鳥とうさぎが良いじゃないですか。

中世絵画は「東福寺の画僧・明兆とその周辺」というタイトル。要するに禅画大特集になります。

明兆「白衣観音図」
作者とタイトルが同じ作品が何点も有りましたが、そのうち一番左にあった重要文化財のものです。肩肘ついたうつろな恰好が、物憂げで素敵ですわ。

近世絵画では「仙人」をテーマに展示してました。

鈴木松年「群仙図屏風」
これは相当に濃い絵です。仙人で濃い絵と言えば曽我蕭白を思い出しますが、この絵は蕭白さんより線が太くて余白が無い感じで、その分ごちゃごちゃした印象です。

続いて中国絵画も「仙人」がテーマでして。

群仙図(仁和寺蔵)
山里にいらっしゃる仙人の皆さんが楽しそうで、これは仙人というよりも、御隠居さんの集いですなぁ。


やっと1階に下りてきました。実は京博はここが中間点です。
まずは仏像を眺めましょう。今まで中央にいた巨大な大日如来さまがいなくなって、ちょっと空間の圧力的なものが変わった気がします。

如意輪観音半跏像(廬山寺蔵)
この観音様は実にやさしい顔をしていまして、恋に恋して照れている女の子の姿、と言っても通るのではないかと。
いや、足は太いのですが……

1階の奥の方の3つの部屋では特集展示「御所文化を受け継ぐ─近世・近代の有職研究─」をやってました。

二条城行幸図巻
御所から二条城に後水尾天皇が行幸した際の記録で、歩いている人の役割や人数などが丁寧に描かれています。こういうので、めったにないイベントを後世に伝えていくんですね。
諸殿調度図
こちらは、部屋のどの位置に何を置くのかを記録している資料。壁や天井を取っ払って説明したり、置いたものの詳細図を付けたり、懇切丁寧ですわ。
銭形屏風
この屏風、梅に桜に紅葉に雪に、と、四季ですね~。
五衣唐衣裳装束
十二単、来ました~。若草色で春っぽい。最近作られたものなので、裳に白から青へのグラデーションがあって、空から水へのグラデーションのようでした。

さて、これで残り2部屋となりました。まず金工の部屋では「梵音具」がテーマ。

銅鰐口(西教寺蔵)
部屋の中央に大きな銅鑼が。この大きさなら、音は良いでしょうな。

最後に漆器に行きましょう。今回のテーマは琉球の漆器です。

黒漆楼閣人物螺鈿食籠
かなり大きなものなのですが螺鈿がびっしりと。かなり手間をかけてますね。


今回は各部屋で1つは気に入った作品を見つけようとしたので時間をかけて見ましたが(おかげで後の予定がかなりタイトになった)、じっくり見るとちゃんと気に入った作品が出てくるものですね。また機会があったら、同じように部屋ごとにじっくり見ていきたいと思います。

ま、とはいえ、今回の展示を総括すると芦雪の犬は卑怯ってことになるわけですが……。

18きっぷで静岡へ

1月3日の駄文でも描きましたが、この冬は青春18きっぷを買ったものの消化できない状況で、1月6日を終わった時点でまだ2日分が未消化となってました。
そんなわけで本末転倒は重々承知ですが、1月7日は青春18きっぷを1日でも使うために旅に出ることにしました。目的地は、静岡県立美術館で面白そうな展覧会をやってるから、という理由で静岡にしました。


などと言ってますが、家を出たのが9時半頃だったため、普通電車だけで静岡に行って展覧会を見て、となると実は美術館以外の寄り道は出来なさそうです。なので、まずはひたすら東海道線を西に向かいます。

根府川辺りで見える相模湾。晴れていたので一段と綺麗ですわ、

熱海で乗り換えて、更に沼津でも乗り換えて。

富士山見えた!

そして本当に寄り道なしで草薙駅に到着しました。

草薙駅はなんか知らないうちに橋上駅舎になってしまってました。以前見たときと全く印象が違うので、びっくりです。
ちなみに以前の駅舎はこんな感じでした(2014年撮影)。

草薙駅では運良く静岡県立美術館行のバスが来ましたので乗車して、10分、100円で目的地に到着です。


静岡県立美術館で行われていたのは高梁コレクション展。これがとても良かった。単純にコレクションを並べただけではくて、静岡県立美術館で独自に解釈して再構成した内容になっていて、見ごたえがありました。ちゃんとした感想は、また別途書きたいと思います。


入口に釣ってあった鴻池明子さんの作品。6m×24mは半端ないデカさでした……。


静岡県立美術館を出たあとは、静岡鉄道に乗って静岡の中心部に出ます。

静岡のマンホールはタチアオイ。


そして来たのは静岡駅前に有る静岡市美術館。ここではウェールズの美術館のコレクション展を見たわけです。

うーん、見終わっての感想としては今一つだなぁという感じで……。
もしかすると、静岡県立美術館が良すぎたので評価が厳しくなってしまったのかも。


と、静岡市美術館を見終わった時点で17時半になってまして。これからまっすぐ帰っても家につくのは21時を過ぎてしまいます。
ということで、再び東海道線を寄り道せずに乗っていくことにします。

途中、19時過ぎたので駅弁でも買おうかと、熱海で途中下車。

ですが、駅弁は全て売り切れていたので駅ビルの上の方に行って……

こういうのも、たまには良いよね。

そんなこんなで、東京駅についたのは21時45分。お疲れ様でした……。

東京駅にはこんなのがいまして。そのままこれに乗って西に行きたくなりましたが、素直に家に戻ったのでした。

国宝雪松図と花鳥@三井記念美術館

三井記念美術館で開かれている展覧会、「国宝雪松図と花鳥」に行ってきました。


三井記念美術館では、毎年正月に円山応挙の国宝「雪松図」を展示しています。で、雪松図に関係の有りそうなテーマで展覧会を構成するのですが、今年は「美術館でバードウォッチング」なんてポスターに書いてありますので、鳥がテーマ。
あれ?「雪松図」に鳥は出てきましたっけ……?

先に全体を見た上での感想を言うと、展覧会の主役は「バードウォッチング」のほうで、「雪松図」は例年恒例だから出しただけで……という感じでございました。というか、企画した学芸員さん、渾身の企画ですね、これ。


いつもどおり*1気に入った展示品を、展示されていた順に書いていきます。

まずは最初の部屋で工芸作品を見ていきます。

仁清「色絵鶏香合」(1-5)
野々村仁清さんの小さなニワトリ。何故か目がまんまるで、飛んでる虫を見て驚いているかのような顔が可愛いです。
玳皮盞 鸞天目(2-1)
重要文化財の茶色い天目茶碗。天目は好きですねー、かたちが整っていて。
この天目は中を鳳凰みたいな鳥が飛んでますが、想像上の瑞鳥である「鸞」だそうです。尾の優雅さが素敵だわ。

続いてメインの展示室、展示室4です。

沈南蘋「花鳥動物図」(4-3)
沈南蘋の描いた鳥の掛軸が6幅かかってます。ニワトリの尾羽とか、かっこいいんだよ。さすが若冲が学んだ画家だけ有ります。
沈南蘋の絵は写実的なようにも見えますが、尾羽など細部を強調するのが魅力かもしれません。
円山応挙「雪松図屏風」(4-5)
毎年恒例ですし、見慣れてますし、何しろバードウォッチングってテーマには合わないですし……。ということで、いい作品だし良い枝の描き方なんだけど、今回は軽くしか見ませんでしたね。
渡辺始興「鳥類真写図巻」(4-6)
渡辺始興の描く鳥類図鑑、という感じの作品です。実際にはお手本として描いたようで、絵にするときのための注意書きが有ったり、羽のような複雑なところの拡大図があったりするのも面白いです。
今回、この作品で紹介されている鳥の近くに、学芸員さんが撮影した鳥の写真が添付されているのが斬新ですね。というか、写真と見比べると、渡辺始興の絵が実に忠実に描かれていることに驚きます。

細長い部屋の展示室5からは1作品。

呉春「梅小禽図風炉先屏風」(5-2)
梅にメジロという構図の絵。写実を追求するような四条派であっても、メジロの目は可愛いですな。

小さな部屋の展示室6では、小ぶりの掛け軸を紹介してました。

土佐光起「鶉図」(6-1)
やまと絵で有名な土佐光起さんですが、このウズラは毛とかが結構細かくて、写実的な作品と思えました。
小林古径「木兎図」(6-4)
ミミズクかわええ!(冬らしく羽毛が膨らんだ)まんまるかわええ!目がかわええ!(をぃ)

最後の展示室7は、円山応挙と三井家関係者の作品が集まってました。

円山応挙「蓬莱山・竹鶏図」(7-4)
応挙の描いた3幅の掛軸です。中央の蓬莱山は水墨の山水画なのに、両側の鳥はえらく写実で。こういう描き分けも出来るところが応挙らしいところだなと。
三井高福「梅花金鶏鳥図」(7-10)
三井家の方が描いた鳥コーナーからも1つ紹介しておきます。この作品は色がとてもカラフルで、でもとても丁寧な描き方です。絵の感じは応挙的なところがありますね。

全体として、京都の円山四条派に連なる絵が多かったと思います。そのあたりは応挙の雪松図を展示していることと関係があるのかもですが、上品な絵が多くて楽しかったです。やはり鳥さんは可愛いですわ。

それにしても、鳥の写真を合わせて紹介するっていうのは新しい展示方法でした。写実的な絵だから出来た技かもしれませんが、写真と絵を比較することで絵の細部まで目が言ってよかったと思います。今後の展覧会でも時々やって欲しいですわ。

*1:といいつつ11月以来なのだが、展覧会の感想を書くのは

20年ぶり(?)の碓井鉄道文化むら

1月3日の続きです。

横川駅に到着した後の行動としては、

  • 6分後のバスに乗って軽井沢に行く
  • 目の前にある「碓井鉄道文化むら」に行く

という2つの選択肢があります。どちらも500円ほどではありますが、年末年始の最終日ということを考えると軽井沢から帰ってくるのが(新幹線が満席で)大変だろうと思いまして……。

そんなわけで、碓井鉄道文化むらにやってきました。

鉄道文化むらに来たのは1999年7月以来で、19年ぶりと思います。
最近、ちょっと前のことと思っているものが20年前と言うことが多く、憮然とすることが増えてます……。


その碓井鉄道文化むらですが、到着したのが15時過ぎですので既に太陽は山の陰に隠れていて、とても寒い。しかもここは上州群馬県なので風も吹くわけで。結果として駆け足で写真だけ撮って展示室に駆け込む、というような状況になってしまいました。


とりあえず、そんな駆け足で撮った写真を貼っていきましょうか。
周囲の山を背景にした機関車って構図は、この鉄道文化むら特有だと思います。



展示は機関車が中心です。
この鉄道文化むらが出来た1999年頃は、東北地方などでJRに引き継がれた客車列車を701系などに置き換えていた時期なので、機関車の廃車が多いころだったのでしょう。

碓氷峠で機関車と言えばのEF63は重連で待機しています。

ちょうどEF63の運転体験をしているようで、1台通過していきました。

D51は外せないとばかりに、ちゃんといますね。


機関車ばかりでなく、気動車もいます。このキハ20は足尾線辺りを走ってたんでしょうかね。

お座敷列車の車内。鉄道文化むらの車両は中に入れないものが多いのですが、これは例外的には入れました。


野外は寒いので屋根のついたところ(元々は修繕施設ですかね?)に入ると、EF62がいました。EF62-54なので、一番最後に廃車になったやつです。

運転台を見ることも出来ます。

建物の中には、こんなものも(上野~金沢の白山は乗りたかったぞ)

奥の方にはアプト式の頃に使用していた機関車も。


という感じで、1時間ほどで碓井鉄道文化むらを見て回りました。
正直寒い!というのが1番の感想ですが、それを横に置いても、整備が行き届いてないのが全体的に目につきました。開園から20年が経って、その間雨ざらしなので、腐食が進みやすいのかもしれません。
これだけの量を展示してるのですから、入園料500円などと言わず、もう少し徴収して設備維持に充てても良いと思うのですが、どうなんでしょうね。

ともかく、碓井鉄道文化むら、まだまだ経営が続くことを願います。


おまけ:
横川からの帰りの安中で。安中の精錬所はついつい通るたびに撮影してしまいます(今回も、行きも帰りも撮影してたわ)