日曜ですが、埼玉でのコンサートの前に、上野の芸大美術館で法隆寺展を見てきました。
この展覧会、3月に仙台で見た法隆寺展の巡回です。
一度見た展覧会でもあるので、割とあっさり見て回った感じです。
展示の構成は、
となってました。
というわけで、仙台ですごいと思った「法隆寺と東京美術学校」「法隆寺と近代美術」のコーナーがとても狭くて残念でした。というか、テンション下がるわ……。
だってさ、「東京美術学校」の中の美術館なんだから、東京美術学校に関する展示が充実すると思うじゃないですか……。
世の中、そんなに単純じゃないようです……。
と、ここで仙台と東京の出品リストを比較したのですが、展示点数にはあまり差がなかったようです。となると、少なく感じたのは展示空間の差、ということなんでしょうかねぇ……。
そんな中で東京のほうが仙台より良かったのは、法隆寺金堂壁画の模写。この壁画の模写に1室を割り当てただけあって作品との間に空間があって、その文全体を見て迫力を感じることが出来ました。あと、普賢菩薩様が乗ってらっしゃる象さんが格好いいです。
他に良かった作品としては、近代絵画では杉山寧の「救」。岩石っぽい質感の仏様が、いかにも杉山寧さんの作品だなぁと思うわけです。
また荒井寛方の「観世音菩薩」は、すごくすらっとしたお姿が印象的です。
仏像では、国宝の吉祥天像が、ぽっちゃり顔のお母さんという感じで良いですね。あと、彩色が残っているのも素晴らしいです。
と、仙台で見てしまったがためにノリの悪い東京展でしたが、同じ芸大の敷地の中にある列品館で「別品の祈り」という関連展示をやってましたので、こちらも見ておきます。
ここでの展示は、法隆寺金堂壁画の模写をデジタル複製したものを実際の金堂のかたちに立てかけて、金堂の空間を再現してました。
立体曼荼羅状態の壁画に包まれる感覚はなんとも良いですね。
ということで、本編よりも関連展示に満足な法隆寺展でした。列品館の関連展示の方は入場無料なので、会期末までにもう一回行きたいなぁ……。