月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

美術でめぐる日本の海@横須賀美術館

久しぶりに、観音崎の手前にある横須賀美術館まで行ってきました。
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ここで今回やっていたのは「美術でめぐる日本の海」という展覧会。
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タイトルの通り、海にまつわる作品が集まっています。


展示は「日本の海を見る」「船いろいろ」「日本人と鯨」「海への祈り」の4つの章に分かれていました。

面白かったのは1章目以降で(1章目は近代日本画家の描いた海の作品を中心に展示されていて、ここはふーんという感じで通過しました……)。

2章の「船いろいろ」では、戦前の客船のポスターや柳原良平の絵本原画など。あの時期のポスターは日本のもヨーロッパのも、デザインが素晴らしいと思うわけで。
ポスターはまたどこかで纏めてみたいもんですな(大阪のサントリーギャラリーが無くなったのが悔やまれるわ)。

3章の「日本人と鯨」は捕鯨の様子を描いた浮世絵などとともに、鯨の玩具なんかもあって。浮世絵よりも玩具のほうが珍しいから見入ってしまいます。

最後の4章「海への祈り」は、圧巻の大漁旗大集合でした。
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これは展覧会用の模擬の大漁旗ですが、本物の大漁旗は迫力がありますな。正直、もう少し量が見たかったかも。


全般的に、特にこれ!という作品があるわけではないですが、普段目にすることのない玩具や大漁旗などで海を表現していて、なかなか良い展覧会だったと思います。これでもう少し東京に近ければ言うことなしなんですが(をぃ)。


なお、常設展のほうでは「へんなあみもの 203gow 編んだ~わーるど展」というのをやってました。こちらもなかなか楽しかったです。
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毛糸の編み物がカワイイの、良いですわ。

戦国!井伊直虎から 直政へ@江戸東京博物館

江戸東京博物館で戦国時代の井伊家をテーマにした展覧会を見てきました。
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毎年のことですが、江戸東京博物館ではNHKの大河ドラマ合わせの展覧会を開催しています。
で、今年の大河ドラマは井伊家がテーマなのですが、井伊家ったって本能寺の変の前は浜名湖の北の辺りだけが支配エリアですからね、話をどうやって膨らますのかと心配になるわけです。

まぁ、不安はありますが、展示を見ていきましょうか。


まず展示の最初の方は今川家について。今川家は桶狭間の戦いで大負けするまでは駿河から遠江、三河と約100万石の大名でしたので当然、遠江の井伊家と関わりがあるわけです。
というか、今川家は滅亡したこともあって、展覧会などでものを見る機会があまり無いですよね。今回は貴重な機会です。

そんな今川家のコーナーには今川仮名目録があったり、太原雪斎の肖像画があったり。
太原雪斎といえば今川義元の軍師というかCPUにして、松平竹千代(後の徳川家康)の教育係という重要人物です。この方の姿を見ることができたのは良かったです。にしても、鋭い顔つきでしたな、太原雪斎さん。

それから、今川の文化的なレベルの高さを示すかのように絵画作品を集めたコーナーも。式部輝忠の富士山を描いた作品もありました。というか、式部輝忠の富士八景図って、スライドでは(山下裕二先生の公演で)見たことがあるのですが、ひょっとして実物を見たのは初めてかも。


展覧会の中盤で場所を取っていたのは徳川四天王について。徳川四天王は酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政の4人ですが、このうち井伊直政を除く3人について徹底的に紹介します。何しろ3人とも肖像、甲冑、刀がそれぞれ展示されているんですもんね。

そしてその後に井伊直政の展示になるんですが……3人の展示が充実してたのもあって、井伊直政はあっさりとしたイメージが。今回は井伊家の展覧会のはずですが、四天王の一角としての説明に終始して主役っぽさがない(汗)。

正直、もう少し井伊直政の出世の背景とか丁寧に辿っても良かったんじゃないかなとも思いました。何しろ井伊は三河譜代ではない上に年も若いわけで、普通だったら譜代筆頭と言われるところまで出世するはずもないのですから。


という感じで、自分としてはやはり今川の展示が普段あまり見ないこともあって面白かったなぁと思いました。って、井伊家の展覧会なのにその感想でいいのか?

2017年夏の18きっぷ(1日目-1)ホリデー快速で韮崎へ

今年も青春18きっぷを買ってしまいました。

青春18きっぷは買ってしまうと「きっぷがあるから、しょうがなく旅に出る」というモードになってしまうことも多く、必ずしも使いやすいきっぷではないと感じています。
とはいえ、気が付くと発売の度に買ってしまうんですよね……。


ということで今回も「18切符を使った旅をする」ということだけ決めて、家を出発したのでした。


中央線の快速電車に乗っていると、新宿駅で隣に「ホリデー快速ビューやまなし」がいましたので、乗り換えてみます。


ホリデー快速ビューやまなしは10両のうち6両が自由席ですし2階建て車両ですので、座席にはかなり余裕がある感じでした。
なので、今後も山梨方面に行くときは積極的に使ってみようと思います。


ホリデー快速ビューやまなしは小淵沢行なので、とりあえず中央線を進みます。
適当に沿線を撮影したりしてな。



小淵沢まで行っても40分待ちとかになりそうなので、降りたことのなかった韮崎駅で途中下車。

もともとスイッチバックの駅だったので、今のホームも急坂な25パーミル。

韮崎はサッカーと大村先生の街でした。ん?サッカー?

振り向けば、観音さま??????

ホームに戻ると、おや遠くにお召し列車にも使える車両(本日は御料車抜き)が。


韮崎駅を見ただけでは次に乗る列車までまだ時間が余ったのですが、時刻表を見ると一駅甲府よりの駅に戻っても10分程度の待ち時間で同じ列車に乗れるとわかりましたので、隣の駅にも。

こういう駅名標、久しぶりに見た気が。

さ、乗る列車がやってきましたので、松本方面に向かいましょう。

藝「大」コレクション(第1期)@東京藝術大学美術館

上野の芸大美術館で、コレクション展をやっていたので行ってみました。
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芸大のコレクション展は毎年春にやっているのですが今年はこの時期に。その代わりというわけではないでしょうが、『藝「大」コレクション』とめいうって拡大バージョンでお送りするようです。


ということで展示室に入ってみましょう。
フロアは地下2階と地上3階に分かれているのですが、順路で最初に案内される地下の方は、いつもの名品展といった感じです。

小倉遊亀「径」
展示室に入って最初に目に入る作品。そういう意味ではこの展覧会のファーストインプレッションを決める作品です。
これはね、単純に親子が歩いているだけに見えますけど、子供が一生懸命付いていってる感じと、それを後ろから鼻で押すように見える犬が良いのよね。
若杉五十八「鷹匠図」
江戸時代に描かれた洋風画。そういえば国芳にもこんな感じなのがあるから、ヨーロッパから来た本の挿絵を元に描いたんでしょうかね。「鷹匠図」といいますが、鷹は……青い置物というかチェスの駒のようなやつですか?
橋本関雪「玄猿」
猿がリアルなのと、枝はほんの少しデフォルメで。その差の分、猿に視線が行くようにしている感じです。
菱田春草「水鏡」
春草さん、好きだわ~。もうね、この人が長生きしてたら大観なんか絵の下手なオジサンどまりだったのにって思うのですが(ひどい)。
この絵はばっちり輪郭線があるのですが、朦朧体とか輪郭線とかは枝葉で、絵の中にある詩情のようなものに惹かれる気がします。
狩野芳崖「悲母観音」
これも芸大と言えばの作品ですね。衣の流れるようなラインが観音さまに合っている気がするのです。

続けて3階の展示室へ。こっちは展示室に入って最初に出迎えるのは高橋由一の「鮭」。しかも「教科書で見たことある?」みたいな煽りつきで。
なんか最近、由一の「鮭」は教科書で見たことのある絵、として紹介されることが多いような。

それはともかく、このフロアでは卒業制作や、卒業時に描いた自画像などが展示されていました。

山口蓬春「晩秋(深草)・雨霽(伏見)」(洛南之巻六題の内1巻)
この頃の鄙びた京都を柔らかく描く、蓬春さんの卒業制作です。それにしても、六題だというのに二題分しか買い上げない大学もせこいですな。
今和次郎「工芸各種図案」
おっと、こんな人も藝大出身。図案化というので、今風にいえばデザイン学科出身ということのようです。

卒業時に描いた自画像は、いま活躍する現代作家のものを多数展示してました。
会田誠、山口晃の自画像は、如何にもあーたらしーわと言いたくなるものでしたし、松井冬子や橋爪彩も、その人のスターを感じるような絵でした。
唯一の例外は村上隆でしょうか。珍しく、普通の自画像ですな……。



ま、そんな訳で毎年やっているコレクション展と比較してどれほど「大」だったかというと微妙な気もするのですが、卒業制作のような普段見ないものを見られたのが良かったです。

子の展覧会、8月6日までが前期、8月11日から9月10日が後期ということですので、また後期に見に来ようと思います。

ハマっ子、三浦半島をゆく@横浜歴史博物館

横浜歴史博物館で、江戸時代と弥生時代の三浦半島をテーマにした展覧会をやっているというので、見てきました。
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横浜歴史博物館は普段はその名の通り、横浜市内の歴史をテーマに展覧会を行うのですが、今回は三浦半島がテーマ。しかも江戸時代と弥生時代というかけ離れた時代を同時に扱うのですから、なんかよく判りません。
多分ですが、神奈川県立歴史博物館が休館中、そちらの所蔵品も含めて企画展をやることが神奈川県内の博物館では増えている気がします。


ということで、まずは江戸時代の三浦半島から。ここは、横浜歴史博物館の所蔵する古地図がたくさんあって、見ていて楽しいったら。


相模国の国絵図のうち、三浦郡と鎌倉郡のあたり。
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ちょっと拡大してみましょう。まずは鎌倉。
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浦賀のあたり。
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地下鉄の上永谷駅のあたり。って、「永田上」ってそのまんまな地名があるじゃないですか。
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江戸時代の三浦半島の地名がぎっしりと書いてある地図。
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赤い矢印は、伊豆半島で取れた魚が江戸に運ばれるルートを示したもの。三浦半島は陸上を輸送していたのだとか。


船で賑わう浦賀の様子。浦賀は江戸時代、神奈川宿の港より賑わってました、という解説があるのが横浜市の博物館らしい。
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黒船の時代になって、東京湾の海防図。観音崎と富津岬を結ぶラインが防衛ラインで、三浦半島は要塞地帯だったという。その要塞地帯の伝統は明治以降も続くわけですが。
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江戸時代の展示が終わると、次は弥生時代になります。って、繋がりがあるんだか無いんだか……

というあたりは、博物館も認識しているようで。
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「設定に無理が出てきてるけど」とは……

こちらのほうは、角を加工して作ったヘラとか、
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占いに使った骨とか
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展示の面白さとか力の入れ方とかは、前半の江戸時代のほうが良かったかな……
ちなみに前半の江戸時代については図録もありまして。これが500円とお買い得。地図も大きく印刷されているので、地図を見るために入手するのもおすすめです。


とまぁ、前半と後半がチグハグとかありましたが、前半の江戸時代編は内容もくて良かったですわ。