えっと、毎年恒例展覧会ベスト10でございます。
今年は5月頃までお仕事がバタバタしていて、あと、10月くらいから鉄道の趣味も復活させたいよねと思って美術館に行くことが若干少なくなっているのですが(自覚はしても他人からはそうは見えない程度の若干ね)、そんなことは考えずに年間で平準化してしまいますよ。
それでは発表してみましょう。
(参考)2012年、2011年、2010年、2009年、2008年
- 貴婦人と一角獣展(国立新美術館、国立国際美術館)[感想(東京)(大阪]
今年の第1位はこれにします。10年以上前に世界美術館紀行で見て以来、絶対いつかは見に行こうと思っていたら、先方の方から日本にやってきてくれたという感じで、去年から舞い上がっていたような。しかも展示空間も、このタペストリーをより良く見せることだけを考えたような空間で……。最初に7枚のタペストリーに囲まれた時は、空間自体が輝いているように思えました。 - 狩野山楽・山雪(京都国立博物館)[感想]
2位といっても1位との差はごく僅かです。なんたって私、感想の中で「21世紀ナンバーワン」とまで言ってますから。狩野永徳の画風を最も受け継いだ狩野山楽を前座にしての真打山雪という感じでしたが、なるほど、山雪は京都のその後の奇想の画家につながるものを感じました。 - 円山応挙展(愛知県美術館)[感想(twilog)]
円山応挙展の決定版ともいえる展覧会ながら、名古屋だけの開催だったので名古屋まで2往復しましたよ。大乗寺の襖絵の再現露出展示がすごかったのですが、何故かメモ帳には「楚蓮香かわええ」「ネコ可愛い」「わんころけ、かわゆす」とかそんな文字ばかり…… - 若冲が来てくれました(岩手県立美術館、福島県立美術館)
プライスさんが、震災復興支援として東北三県で開催した展覧会。展示されているものは2006〜2007年のプライスコレクション展で見たものが多かったですが、見に来ている方々の多さと、楽しそうな表情が良かった展覧会でした。 - 飛騨の円空(東京国立博物館)
これはねぇ、東博が岐阜県飛騨の一つの寺を題材に展覧会をやるという時点で凄いよねと。そして、円空仏が見ていて飽きないのも素晴らしかったです。 - 皇室の名品 近代日本美術の粋(京都国立近代美術館)[感想]
最近の展覧会からのランクインです。明治の工芸品の超絶技巧がこれでもかという感じで出てくるのに圧倒されます。そして、松園さんの「雪月花」はかわゆいですなぁ。 - 越境のドラマ(鉄道博物館)
鉄道ネタを無理やりランクインさせた気もしますが……。碓氷峠と上越トンネルという2つの峠越えに絞った展示が、判りやすくて。歴史系の展示も工夫すれば散漫にならないのだなと感じました。 - 明治のこころ モースが見た庶民のくらし(江戸東京博物館)
これは、モースの収集癖の凄さに圧倒される展覧会でした。まだ封を開けてない海苔の缶とか、開けたらどうなっているのか興味があります。 - 奇跡のクラーク・コレクション(三菱一号館美術館、兵庫県立美術館)
ルノワールの描く女の子が可愛かったの〜〜〜(って、それだけでベスト10に選考なのか?) - 「もののあはれ」と日本の美(サントリー美術館)
「もののあはれ」という難解な概念に挑んだ展覧会。月とか、影とかいった、ちょっと薄暗いというか、ほの明るいものに惹かれるのは、大昔らか続く遺伝子のメモリーのようなものと実感しました。
実はベスト3は結構簡単に決まったのですが、その先は35位くらいまで団子レース状態でして。
その中でも、カワイイとか、鉄道とか、量に圧倒とか、何か主張する要素が強かったものが10位までに残ったという感じでね。だったらベスト3企画にするべきだったのかしら……(もう何年もベスト10なので、いまさら変え難いのよね)
そんな団子レースという、ベスト35の中に入った展覧会を地区別にあげておきますね。
東京
- 生誕100周年記念 中原淳一展(日本橋三越本店、そごう美術館)[感想]
- 源氏絵と伊勢絵(出光美術館)[感想]
- カリフォルニア・デザイン 1930-1965(国立新美術館)
- 生誕140年記念 川合玉堂 ―日本のふるさと・日本のこころ(山種美術館)[感想]
- エミール・クラウスとベルギーの印象派(東京ステーションギャラリー)
- 教授を魅了した大地の結晶 北川隆司 鉱物コレクション200選(国立科学博物館)
- Drinking Glass—酒器のある情景(サントリー美術館)
- 竹内栖鳳展 近代日本画の巨人(東京国立近代美術館)
- 岩合光昭写真展 ネコライオン(東京都写真美術館)
- 美を伝えゆく−名品にみる20年の歩み−(三の丸尚蔵館)[感想1、感想2]
- ウィリアム・モリス(府中市美術館)[感想]
- カイユボット展—都市の印象派(ブリヂストン美術館)[感想]
関東
- 勝坂縄文展(神奈川県立歴史博物館)
- 仏像半島-房総の美しき仏たち-(千葉市美術館)
- 狩野派と橋本雅邦(埼玉県立歴史と民俗の博物館)
関西
- 重要文化財指定記念 八瀬童子-天皇と里人-(京都文化博物館)
- みほとけのかたち —仏像に会う—(奈良国立博物館)
- 海を越える美術 -日本をとりまくアジアとヨーロッパ-(大和文華館)
- 再発見!大阪の至宝(大阪市立美術館)
- 第65回 正倉院展(奈良国立博物館)[感想]
- 文学と美術の出会い−平安時代から江戸時代の物語絵−(大和文華館)[感想]
ふぅ、これらも、多分選考する日が違ってたら、きっとベスト10に入っただろうなというのが幾つもありますわ……
おまけの追記
毎月恒例の、今月見た展覧会の12月編を、ここに載せておきますです。
- 1207[○]描かれた都—開封・杭州・京都・江戸—(大倉集古館)
- 1207[○]江戸の狩野派 —優美への革新(出光美術館)
- 1207[○]ターナー展(東京都美術館)
- 1210[◎]カイユボット展—都市の印象派(ブリヂストン美術館)
- 1214[○]近代日本の花鳥画(講談社野間記念館)
- 1214[○]三菱一号館美術館名品選2013−近代への眼差し 印象派と世紀末美術−(三菱一号館美術館)
- 1215[◎]皇室の名品 近代日本美術の粋(京都国立近代美術館)
- 1215[○]琳派の伝統とモダン—神坂雪佳と江戸琳派の近代—(細見美術館)
- 1215[◎]文学と美術の出会い−平安時代から江戸時代の物語絵−(大和文華館)
- 1221[○]ニッポンの少女まんがの元祖だヨ!松本かつぢ展(弥生美術館)
- 1221[○]明治・大正・昭和戦前期の宮廷服 装東と洋装(文化学園服飾博物館)
- 1221[○]古径と土牛(山種美術館)
- 1228[○]ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム(神奈川県立近代美術館葉山)
- 1228[○]生誕140年記念 下村観山展(横浜美術館)